林羅山の日本三名泉とは…



林羅山は徳川家康に使えた江戸時代の儒学者。
京都の富裕な町人の出自で、建仁寺で仏教を学んだ後、藤原惺窩の下で朱子学を学び、その類い希な能力の高さから徳川家康に召し抱えられた。江戸幕府においては武家諸法度や昌平坂学問所の礎を築くなど優れた能力を発揮している。

詩文集「林羅山詩集巻三 西南行日録」では、「我が国は諸州に温泉を多く有す。その最も著しいものは、摂津の有馬、 上州の草津、飛騨の湯島、この三箇所なり」と記し、これが本稿で言う三名泉となっている。

三名泉は具体的には次の温泉を指す。
摂津の有馬:兵庫県神戸市の有馬温泉
上州の草津:群馬県吾妻郡草津町の草津温泉
飛騨の湯島:岐阜県下呂市の下呂温泉

なお、室町時代の京都五山相国寺の禅僧・万里集九は、実際の旅を通じた結果、著書「梅花無尽蔵」の中で、この三温泉を日本全国の中で優れた温泉地として讃えており、林羅山は万里集九の三名泉をそのまま選定したものと思われる。

(2009/06/23記す)


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